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月を空に戻す/久保田昭宏

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マットスタンド(六切)作品


101の落ちた月
45億年も前から上空にあって夜毎、地上の出来事を眺めてきた月は好奇心を抑えきれず、地上に降りてくることがある。地上の我々から見ればこれは月の墜落ということになる。19世紀末、このことに興味を持った一人のイギリス人があった。ウィリアム・ムーン (William Moon) と名乗るこの人物は、古今東西の文献を渉猟して月の墜落の事例を101件集め、一冊の研究書を出版した。
 タイトルは『101の落ちた月 (One Hundred and One Fallen Moons)』。1896年、ロンドンでのことである。ウィリアム・ムーンは面白いことに気づいた。それは落ちた月は必ず三日月であったという事実である。彼はその理由を次のように説明している。
遥か上空から地球を眺めている月は地球が丸いことを知っている。そこにまんまるの月が落ちていくと、コロコロと転がって止まらなくなってしまう。そう考えた賢い月は、地球に落ちるのは三日月の時だけにしようと決めているということだ。
三日月なら地面に刺さることはあっても、回転が止まらなくなることはない。まるで稲垣足穂の『一千一秒物語』のようではないか。

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